プロバイオティクス
プロバイオティクスとは、人間が体内に本来持っている抵抗力を呼び覚ますなどの健康的な影響をもたらす微生物のことで、『腸内フローラのバランスを改善することにより、宿主(人など)に有益な作用をもたらす生きた微生物』と定義されています。
プロバイオティクス(probiotics)の語源は、抗生物質という意味の生態学的用語antibioticsの対義語にあたるprobiosis(生物間の共生関係)からとされています。
語源でもわかるとおり、副作用を起こす可能性を否定できない抗生物質に対して、人本来の抗体を強化するというプロバイオティクスは、抗生物質よりもおだやかに健康を守る手段だと考えられるようになったことが健康ブームである最近になって注目される理由となっています。
乳酸菌に代表されるプロバイオティクスですが、安全性が保証されていることや、胃酸に負けず腸内に到達できる強さを持っていること、腸内で増殖でき、食品などの形で摂取でき、有効な菌数を維持できる上、宿主に有益な効果を発揮できることなどの条件があり、いわゆる上質の善玉菌であることが求められています。
プロバイオティクスは、ヨーグルトという形態から摂取することが主で、1日に250から300グラム以上摂取することが効果的だといわれています。
最近では、LG21菌といわれるラクトバチルスG21株や、ラクトバチルス・ジョンソニ株(LC1菌)、ビフィズス菌ヤクルト株(B.ブレーベ・ヤクルト株)などのプロバイオティクスをアピールする乳酸菌飲料やヨーグルトなどが多く販売されていますが、日本古来の伝統食品である味噌や醤油、漬物、甘酒などの発酵食品にも良質の乳酸が含まれており、プロバイオティクスの宝庫だといえます。
ビフィズス菌も乳酸菌とともに代表的なプロバイオティクスですが、オリゴ糖は菌内に存在するビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増強、活性化する役割を持つため、生態学的用語でプレバイオティクスと定義されています。