太るメカニズムと体質
【どうして太るのか】
どうして太るのか?太るメカリズムをご存知ですか?
太るメカリズムを一言で言うと・・・・・
「摂取カロリーが消費カロリーをオーバーする」からです。
現在の私たちは、丸1日何も食べられなかったりすると、フラフラする気がします。
しかし、人類の歴史を振り返ってみると、長い間、獲物が捕れないときや、天候により不作が続くときが何度も何度もありました。
それでも生き延びてきたのはつまり、そもそも人間は、現代の私たちが思っている以上に、少ない食料でも大丈夫なようにつくられている生物と考えられるのです。
そして少しでも多く食べられたときには、飢餓に備えてエネルギーを脂肪として蓄えるのが当然なのです。
【ストレス太りの原因】
日本人が「食べ過ぎ・飲み過ぎ」ている大きな原因のひとつはストレスです。
実際、肥満におちいっている人を見ると、子供も大人も、ストレス解消に、寂しいから、何か気をまぎらわせるために、食べる・飲むなどしていることが多いものです。
アルコールは、かなり高カロリーだが、1日のしめくくりにやめられない・・・という人もいるでしょう。
また困ったことに、ストレスの原因が何であるのか、本人にも分からないケースも多い。
「会社の上司が嫌なヤツだ」という頭で感じるストレス以外に、体が無意識に感じているストレス=自律神経の乱れも、肥満に大きく関わっています。
今や過剰に都市化した環境で、昼も夜も関係なく生活している日本人は、その自律神経が乱れ、常に「食べ過ぎ」「飲み過ぎ」の原因となるストレスにさらされているのです。
【食べてすぐ寝ると牛になる】
小さい頃「食べてすぐ寝ると牛になるよ」って言われませんでしたか?
牛はおなかいっぱいになると横になって体を休めます。
食べ物は食べてすぐ寝れば寝るほど、体に蓄積される脂肪の量は多くなるので、牛のように大きな身体になると意味合いからの言葉だと思います。
起きている時は心臓や胃腸の動きにかかわる自律神経のうち、交感神経と呼ばれる胃腸の働きを抑えて、その代わり脳や筋肉の活動を活発にさせる神経系が優位(活動的)で、寝ている時は副交感神経と呼ばれる筋肉の活動を抑えて、その代わり胃腸の活動を活発にして消化吸収を良くする神経系が優位になるためです。
分かりやすく言えば、起きている時の体は「エネルギーを溜め込むよりも使う方に有利」になっており、寝ている時の体は「エネルギーを使うより溜め込むことに有利」になっているのです。
夜寝る前に食べてすぐ寝る、これ危険です。
ダイエット中の方は寝る前最低3時間はエネルギーになる食べ物を食べない方がいいそうですよ。
エネルギーになる食べものとは、炭水化物、脂質、たんぱく質を含む食べもののことで、水やお茶(厳密にはカロリーゼロではありませんが…)などは摂ってもかまいません。
どうしてもお腹が空くときは豆乳寒天クッキーなどがいいかも知れませんね。
【太りにくい体質づくりのコツ】
ゴロゴロしていてもエネルギーを多く消費する体質になることが重要です。
そのためには、基礎代謝量を増やすのがポイントです。
ここで注目なのが、クエン酸。
梅干しやレモンの酸味のもとになる成分です。
私たちの体の細胞の中にあるミトコンドリアこそ、食物をエネルギーに変える工場。
そこでは「クエン酸回路」と名づけられた現象が、常に生じています。
簡単に表現すれば、クエン酸を利用して、糖質や脂肪を分解しエネルギーを取り出すシステム。
だからクエン酸が不足すると、食べたものがエネルギーに変わりにくい、基礎代謝が低い、結果として痩せにくい体質になる訳です。
普段から積極的にレモンや梅干しを食べるようにして、クエン酸回路を効率的に働かせるようにしましょう。
もちろん、適度な運動をプラスしたほうがベターです。
肥満とガンとの関係
肥満とがんの関係については多くの研究結果が発表されています。
女性では子宮がんと乳がん、男性では大腸がんと前立腺がんが発症する確率が高いことが分かっています。
男性では主に欧米型の食事で脂肪摂取量が多くなっていること、女性は肥満のために血液中の女性ホルモンが増えることが原因と考えられています。
また女性の乳がんでは、肥満の人の5年間生存率が著しく低くなることも分かっています。
がんの発生率は年齢とともに高くなりますが、その一因として、歳をとるほど免疫能力が低下してくることがあげられます。
また精神的ストレスによっても免疫機能が低下することが明らかにされています。
この免疫能力を高めるために適度な運動が有効ですし、運動はストレスの解消にも効果的です。
つまり正しいダイエットで行う栄養バランスの良い低カロリー食と運動は、がんやその他成人病の予防にも大変効果があるということになるのです。
睡眠不足と肥満
7~9時間眠るヒトに比べると、4時間以下しか眠らないヒトは、なんと73%も肥満になりやすいという発表がありました。
ちなみに5時間程度でも50%、6時間でも23%それぞれ太りやすいという結果でした。(コロンビア大、対象1万8000人、32~59歳)
原因としては、起きていることによる消費カロリー以上に、つい食べてしまうことが多いのが太る原因ではないかという推論でした。
レプチン=食欲抑制ホルモン
レプチンやグレリンという物質をご存知ですか?
レプチンは10年くらい前に発見された物質で、脂肪組織で産生されます。
食欲を抑制する働きがあるホルモンといわれています。
主に脳の視床下部の満腹中枢に働いて『お腹いっぱい!』という感覚を起こさせると言われています。
反対にグレリンは5年位前に発見された物質で、胃から産生されます。
食欲を亢進する働きがあるといわれています。
一つはスタンフォード大の発表で、5時間眠る人は8時間眠る人に比べて、なんと、血中の食欲刺激物質グレリンが14.9%も多く、食欲抑制物質レプチンの量は15.5%も少ないことがわかりました。
コレはちなみに性別、食事習慣にも全く関係がないほどはっきりした差だったそうです。(対象約1000人、30~60歳)
また睡眠時間8時間未満の人に限る(全体の75%)と、睡眠時間が短いほど肥満度がアップしてしまうこともわかりました。
似たようなお話になりますが、シカゴ大のチームの発表では2晩連続で4時間しか寝ないと、10時間寝た場合にくらべて、グレリンが増えてレプチンが減っていることがわかりました。
そして具体的にはお菓子などの甘いものやチップスやナッツなどの塩っ辛いもの、そしてパンやパスタなどの炭水化物もほしがる傾向があったとのことです。
(対象 20代男性12人)
もしかして夜更かしするとラーメンやアイスが食べたくなるのはこの辺が原因かもしれませんね。
睡眠不足になればなるほど太ってしまうことは確かなようです。
睡眠をしっかりとるのはなかなか難しいところもありますが、できるだけ気をつけたいものです。