ボトックス 治療
美容整形の分野で、最近、ボトックスという言葉がよく聞かれるようになってきましたが、美容目的のしわとりや多汗症のボトックス治療には、日本では健康保険が適応されません。
日本では主に「 眼瞼けいれん」と「片側顔面けいれん」という目の病気にボトックスの治療が用いられ、健康保険が適用されます。
ボトックスはボツリヌス菌によって作り出される神経毒素で、7種類ある毒素のなかで一番安定で毒素の強いA型ボツリヌス毒素を主要成分とする薬です。
アメリカのアラガン社が1989年にボトックス注100という薬の承認を取得しました。
このボトックス注100は日本で1996年に「眼瞼けいれん」に対して承認され、2000年に「片側顔面けいれん」、2001年に「痙性斜頸」(けいせいしゃけい)の追加効能が承認となりました。
眼瞼けいれんは目の周辺の筋肉がけいれんして目が開けにくくなり、うまく瞬きができなくなる病気です。
病状が進行してくると目をうまく開けられないため、人やモノにぶつかったりして生活に支障をきたすようになります。
片側顔面けいれんは自分は意図していないのに、片側の顔面筋がけいれんし続けてしまう病気です。
顔面神経が脳幹から出る部分で、血管によって圧迫されるために起こると考えられています。
眼瞼けいれんと片側顔面けいれんの治療法は、緊張している筋肉に希釈したボトックス注100を直接注射します。
ボツリヌス毒素が緊張している筋肉をマヒさせ、筋肉の緊張によって起こるけいれんの症状を改善します。
注射後2,3日で効果が現れ1,2週間で安定して、3,4ヶ月で注射する前の状態に戻ります。
治療の効果がなくなったら薬の再投与が必要になります。
「痙性斜頸」は頭や首の筋肉が異常に緊張することによって、自分の意思とは関係なく首がある方向に曲がってしまう病気です。
首を元に戻そうとすると肩や首に痛みを感じるようになります。
「痙性斜頸」の治療にもボトックス注射が用いられます、緊張している筋肉にボトックス注100を直接注射します。
薬の効果は数ヶ月でなくなりますので、継続的にボトックス治療を受ける必要があります。
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