脂肪吸引のリスク 1970〜1980年代
脂肪吸引には、手術である以上、貧血、感染、脂肪塞栓、吸引部の凹凸、皮膚のたるみ、麻酔の事故などが脂肪吸引のリスクとして挙げられます。
以前、1970年代頃には、過度の脂肪除去による貧血やショックなどで死亡事故も起きていました。
しかし欧米で脂肪吸引の研究が発達し、こういった事故が起こることも近年では、ゼロになりつつあります。
80年代後半に脂肪吸引先進国のアメリカで導入された、ハイパー・ウエット・メソッドという麻酔方法により、技術と安全性が飛躍的に向上しました。
この方法は、非常に薄い麻酔液が入った体液と同じ成分の生理食塩水に、出血を抑える薬と、ショックなどを予防する薬を混入し、大量に脂肪をとる脂肪層に浸透させます。
これにより、手術中の出血が極端に減少し、貧血予防が施され、脂肪細胞がこの生理食塩水を取り込んで膨張するために、吸引部の凹凸と脂肪組織が血管に入って血管がつまってしまう、脂肪塞栓の予防が可能となりました。
また、この手法により、手術は局所麻酔で行うことが出来るようになった為、麻酔事故が起こることもほとんどありません。
脂肪吸引の安全性や有効性は高く評価されているが、手術である以上100%という安全は保障されない。
あらゆる手術に共通するリスクや脂肪吸引特有のリスクや合併症があり、それらを知った上で治療を選択する必要がある。
手術に伴うリスク
■麻酔のリスク
美容外科手術で最も多い事故は麻酔に伴うものだと言われる。
脂肪吸引では、全身麻酔もしくは局所麻酔が必要となるため、当然リスクも発生する。
■感染のリスク
術中、術後に細菌による感染を引き起こす可能性がある。
感染を放っておくと生死に関わることもあるので、抗生物質の投与など適切な処置が大切である。
■脂肪塞栓、血栓
脂肪や血液の塊が血管に入り、細い血管を詰まらせることがある。
詰まった部分の臓器の機能障害をもたらす可能性があり、異常を感じたら直ちに適切な処置を行わなければならない。
■知覚異常
手術時の神経損傷によって手術箇所の知覚障害が起こる可能性がある。
多くは軽症であるが、長期にわたって症状が改善しないこともある。
脂肪吸引に伴う特有のリスク
■吸引のムラ、吸引し過ぎによる陥没
吸引にムラがあると凹凸が出来てしまうことがある。
また、一部だけを吸引しすぎるとその部分だけが凹んでしまうというようなケースもある。
必要な場合は修正手術を行うことで解決することが多い。
■皮膚のたるみ
皮膚のたるみは、脂肪吸引時に最も注意すべき問題である。
吸引量が多すぎてたるみやシワが目立った場合は、余っている皮膚を除去する手術が必要になることがある。
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