トランス脂肪酸
・アメリカでは同国心臓病協会推薦のTransfat free(「トランス脂肪酸」なし)とうたった新しいマーガリンがスーパーの店頭に目立ち始めたようですが、残念ながら日本ではまだ発売されておりません。
<米マクドナルド−調理油切り替え遅れ和解金9億円支払い>
米ハンバーガー店チェーン大手マクドナルドは、フライドポテトなど揚げ物に使う油を健康に配慮した新タイプに切り替えると発表しながら実施が遅れたことを同社が適切に公表しなかったとされる訴訟で、和解金など計約850万ドル(約9億円)を支払うと先月(05年2月)までに発表しています。
マクドナルドは2002年9月、心臓疾患の原因になると指摘された「トランス脂肪酸」を減らすため、調理油を03年2月までに新しいタイプに替えると発表しました。
ところが、実施が遅れたため03年2月に遅れの事実を公表しましたが、米国の健康問題活動家らは03年、消費者への告知が不十分だったとして損害賠償などを求め、カリフォルニア州の地裁に提訴していました。
こうしたトランス脂肪酸の害について、日本ではほとんど認知されておらず、トランス脂肪酸含有量の表示義務もないため、全く野放し状態です。
前述のマクドナルドでも、日本での調理油切り替えの発表は未だにされておりません。
※トランス脂肪酸は、役に立たないばかりか体に害をもたらす悪玉の脂肪で、各国で、有害さへの認識が高まり、欧米諸国ではある一定以上の「トランス脂肪酸」を含む製品を販売禁止にし、アメリカでも冠状動脈疾患の危険因子となるとして、06年1月までにトランス脂肪酸含有量の表示を義務づけられる事になりました。
※日本でも次のような警告の文章がやっと出ましたが、下記のような緩やかな表現にとどまっています。
【第6次改訂 日本人の栄養所要量】 (厚生省)
『「トランス脂肪酸」は、脂肪の水素添加時に生成し、また反芻胃の微生物により合成され吸収されることから、反芻動物の肉や乳脂肪中にも存在する。
トランス酸の摂取量が増えると、血漿コレステロール濃度の上昇、HDL−コレステロール濃度の低下など、動脈硬化症の危険性が増加すると報告されている。』
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